6ハウス・乙女座の領域のテーマは『原因の分析と改善』によって自らを癒すこと

【秩序の維持(=物事を“在るべき場所”に配置する=本来の姿・形に戻す=適材適所)】というのが乙女座というサインが求める在り方です。
(※「乙女座の人がそうである」というような話しではなく、サインの性質の話です。)

乙女座と言えば整理整頓というイメージがあるかと思いますが、それは“物を在るべき場所に(元に)戻す”作業です。
お風呂場にフライパンがあったならキッチンに戻すはずです。適材適所です。
医療従事者のイメージも強いですが「病気を治す」というのは“本来の姿・形に戻す”ことです。
(これが6ハウスの象意としてメジャーな「健康」に繋がります。)

これらの秩序を維持するためには『それを乱している原因を分析し改善する』というプロセスが絶対的に必要になるため、わたしはこれが6ハウス・乙女座の本質的なテーマだと感じています。

もう一つの6ハウスのメジャーな象意としては「労働」というのがありますが、乙女座が求めるのは【適材適所】ですから“自分に適した働き方=自分の資質の適切な使い方を模索する”ハウスでもあります。

よくある解釈で2ハウスは自分の資質で稼ぐ(才能を活かして働く)・6ハウスは会社に勤める(雇用されて働く)というのがありますが、個人的には変な解釈だと思っていて、会社に勤めるにしても自分の資質を活かして働くということはある訳ですし、と言うより本来【“働く”ということは“自分の資質を活かすこと”であるべき】なのです。

しかし自分の資質がわからない(=2ハウスが出来ていない)と、6ハウスは「生活費を得るために仕方なく働く」というニュアンスが出てしまいます。

それはつまり「自分を適材適所に配置することが出来ていない」ということで、じゃあ何故、自分を適材適所に配置出来ないのかと言えば『原因の分析と改善』が出来ていないからです。

この場合[自分の資質やモチベーション(喜びを感じられるもの)がわからないから何となくで仕事をするしかなくなっている]というのが原因であり、改善するためには[それを見つけ出そうとする努力]が必要です。
※6ハウスが突破出来ない場合1〜5ハウスを総合的に育てていく必要があります。

6ハウスには「奉仕」や「ボランティア」という意味も当てられていますが、これは完全に“高校生や大学生が就職する際にボランティアの経験が有利になる”という謎理論に繋がってるなと思います。
昔の考え方かと思いきや未だにそういう風潮があるようです。
[自己犠牲的奉仕精神=仕事]って戦時中〜戦後の高度経済成長期の考え方じゃないでしょうか。
今となっては学生時代のボランティア活動なんて実質「特に自己アピール出来る要素がないからボランティアでポイントを稼ごう」というレベルのものにしかならないような気がしますが‥。
結局2ハウス(自分の資質を知る)が出来ていないこと、これは個人の問題だけでなくそれを見つけ出す環境も整っていない=個々の資質を伸ばすような学校教育ではないことも大いに問題なんです。

因みに本当の意味での奉仕は8ハウスです。蠍座は自らの意思で全てを捧げますから。
(それはそれで危ないんですけど。)
6ハウスの奉仕は大体その裏に自己防衛が隠れていることが多いです。

そしてこの『原因の分析と改善』というのは、働き方の問題だけではなく人生の問題全般に必要なことです。

5ハウスで目的意識を持って人生を創造しようとする(※)と往々にして壁に打つかります。
その壁を超えるために6ハウスで『原因の分析と改善』の必要性が発生するのです。
そして、7ハウスは人間関係だけじゃなく自分以外の全てのものとの関わり方を模索していく場所です。
[自分vs世界(自分対世界or自分か世界かという二極=俺か俺以外か)になっているものを、どう調和させていくか?]というのがテーマで、これがクリア出来ると8ハウスでは自分と世界が対立した状態ではなく一体となってwinwinの循環を生み出せるようになりますが、そうでない場合はやり直しを求められますので、ここでもやはり『原因の分析と改善』が必要になってきます。

(※5ハウスのナチュラルサインは獅子座でルーラーは太陽です。太陽は人生そのものです。その太陽が支配するハウスが「趣味や娯楽・個人的な楽しみ」のハウスって何それ?って思うんですよね。太陽・5ハウスを脇に追いやるから、6ハウスで自分を活かした仕事に結び付かなくなるのではないでしょうか。これは時代背景の問題で、バブル時代だと「仕事が終わってからが本番!」みたいなノリ。この頃はまだお金が沢山貰えてた=日本という国としての2ハウスがいい状態だったからそれでも良かったんですよ。アフターファイブや休日に太陽を使えたから。今時仕事終わってそんな元気な人は少ないし、場合によっちゃ休日は疲れて何もしたくないことだってある。仕事で使っていない上に趣味ですら太陽を使えないとなれば、生きる気力が失われていきます。太陽は活力でもありますから。もっと遡れば階級制度があるので自分を活かして仕事をするなんて世界線ではなかった訳ですが、既に時代は変わっています。なのにマインドだけ変わっていないので、占星術の解釈も未だに変わらないのだと思います。)

何かが上手くいかない時に『原因の分析と改善』が出来ないと同じ失敗を繰り返すことになります。

女性は思考するのが苦手な人も多いので分析と言うと難しく感じる人もいるかもしれませんが、要するに“自分と向き合う”ということです。

これが出来ないと“モヤモヤ”します。

“モヤモヤ”の正体は“感情を思考で分析し言語化することが出来ていない(=自分の気持ちを正確に理解出来ていない)表れ”なのです。
↑これ、6ハウスと12ハウスになっているのがわかるでしょうか?

整理整頓が出来ていないから(6ハウス) ⇄ 物事が曖昧になる(12ハウス)

原因がハッキリわからなくてもいいんです。
と言うか、原因というのは後からしかわかりません。
多分とか恐らく(仮説)でいいので、一度失敗して次に挑戦する時には前と同じではなくバージョンアップした状態で挑む。←その結果として何かが変わった時に仮説が証明されて原因が分かります。

乙女座と魚座は女性サインでマイナスのエネルギーですから、外側ではなくて内側の原因を探るということ(自分の思考や行動=自身の在り方に原因を見つける←つまり自分自身との向き合い方)が重要です。

Step1.感情を受け入れる(自分の気持ちに抵抗しない)
step2.自分の気持ちを把握する(モヤモヤの原因仮説を言語化=感情を思考に落とし込む)
step3.step2を基に改善策(どうすれば望む状況に変化するかという仮説)を考える
※ここでは自分の感情を挟まずに思考するのがポイントです。
ここで出てくる感情(から生まれる思考)というのは「自分に出来るかな?」「上手くいかなかったらどうしよう」改善策を考えてみてもその先のイメージが掴めず「こんなんで変わるんだろうか‥」というような“変化に対する恐怖心”なので、その声に惑わされると「でも‥でも‥でも‥」の繰り返しになって思考が堂々巡りになります。)
step4.改善策を基にこれまでと違う行動を起こす

↑これらのstepは紙に書き出した方が整理がしやすいです。
状況が変化していかない場合このいずれかのstepの何処かで躓いている可能性が非常に高いです。

この悩みを解決するstepについては、中田敦彦のYouTube大学で紹介されている[ゼロ秒思考〜悩みを解決するメモ術〜]がわかりやすいのでオススメです。

分析と改善(step3.4.)を挟まないと何も変わっていない状態で再度挑戦することになるので、問題をクリア出来ずに上手くいかない現実を体験し続け、それが傷になっていくのです。

わたしは6ハウス・乙女座のルーラーはキロン説を採用しています。

これはわたしが勝手に言っている訳ではありません(笑
わたしが一番最初に占星術に触れたアロマと占星術の本(もう手放しちゃったので名前も覚えてないけど海外の書籍を翻訳したもの)では乙女座のルーラーはキロンになっていました。
その後で水星がルーラーだと知りましたが、キロンの方が個人的には腑に落ちるので6ハウスのルーラーはずっとキロンでやってます。
水星と金星だけ担当掛け持ちの帳尻合わせ感が気に入らないというのもあります。
因みに2ハウスのルーラーは地球だと思ってます。
金星のマークは反転させたら地球のマークになるし、2ハウスを地球にすると8ハウスとの対比があの世とこの世になるから。これは勝手に言ってます。

Twitterでどなたかが6-12ハウスを「こんな苦労をしてるから隠したい場所・隠したいもの」というような表現をしていて「なるほどな」と思ったんですが、それは傷を昇華出来ない(=そこから目を背けて向き合おうとしない)場合の話なんですよね。

キロンは「傷」ではなく「証(あかし)」にするべきもの。
武士の顔や身体に刻まれた傷は過酷な戦いを生き抜いてきた証であると同時に罪でもある。
だけど、それを傷(負の象徴)とするか証とするかはその後の生き方で決まります。
剣心みたいに人斬り抜刀斎の過去を否定せずに人を斬っていた刀を逆刃刀に変えて殺さずの誓いの上に人の為に剣を振るう。←これなら過去の傷は昇華され一見マイナスに思われるものがより良い形に変化を遂げます。
しかし、過去を否定し、罪悪感からそれを隠して生きようとすれば傷(苦しみの歴史)は傷のままです。

6-12ハウスって自分と自分以外の世界(社会や他者)との繋ぎ目で、結局そこが調和しないから生きづらくなるんです。
何かを隠したまま外の世界に出て行くということは偽りの自分で生きるということですから、当然生きづらくなります。

でも傷(困難)が昇華出来ると6-12ハウスは【こんな苦労を乗り越えたら広がる夢や理想(思いがけなかった景色)】になります。

12ハウスは無意識(月の無意識じゃなくて海王星の無意識なので魂意識)を表すハウスなので、思い通りじゃないけど望み通りみたいな、要するにエゴの望みじゃなく魂の望みが叶うんです。

それは即ち【本来の姿・形に戻す】ということ。

ですから『原因の分析と改善』の努力をした所で必ずしも望むような結果に繋がるとは限りませんが、この試行錯誤のプロセスは確実に“成長”に繋がります。

仮に何かが上手くいったとして生きづらさが変わらなかったらツラいままな訳で、6-12ハウスっていうのは生きづらさの解消(傷を癒す=昇華すること)を目的としているので、ここで本当に意味のあること・価値のあることは成功(上手くいくこと)じゃなくて成長なんです。

どういう成長かと言うと“困難に対する向き合い方を覚える(経験から学ぶ)ことで、傷になってしまう前に対処することが出来るようになる”という成長です。

それはつまり“生きやすくなる”ことです。

勿論傷を昇華出来るのがベストですが、出来なくても困難に向き合えば向き合っただけ気付きを得られて生きやすくなります。

そして正直、能動的に苦しまないと成長しないなって思います。
何故かと言うと、受動的な苦しみはただ耐えるだけになりやすいからです。
↑ただ耐えているだけだと同じことの繰り返しにならざるを得ません。
「嵐が過ぎ去るのを待つ」みたいなスタンスです。
その嵐は自分の無意識の現象化なので、自分が変わらない限り何度でもやって来ます。

“耐える”って結構頑張らないと出来ないので努力してる感出るんですけど、残念ながら成長に繋がる努力にはならないんですよね。

先程も言いましたが、6ハウスに関しての成長というのは困難に対する向き合い方を経験として学んだ結果、上手く立ち回れるようになることなので、外からやって来る何かに対して内にこもって困難が過ぎ去るのを待つだけでは何も解決しないのです。

それに気付いて“自ら外に働き掛ける”というのが4ハウス・蟹座・月から5ハウス・獅子座・太陽への流れで、5ハウスで外に働き掛けて上手くいくならそれでいいんですが、外に働き掛けても上手くいかない場合は内側に原因を求める必要が生じます。それが6ハウスです。

能動的に苦しむというのは、自分の苦しみがどうしたら改善されるのか、その『原因の分析と改善』に向き合う建設的な苦しみであり自分を苦しみから解放するための生みの苦しみと向き合うこと。

人生の問題の解決を試みることは、人生に於いての傷の治療。
それは自らを癒すということであり、混沌とした人生の秩序を整えるということです。