月と太陽の関係ー女性性と男性性のバランスを考えることの重要性

“願望(としての自分の気持ち)”には2種類あります。

【太陽の外側に向けての望み(何かを達成したり実現したいという願い)】【月の内側に向けての望み(今、心が満たされることを求める気持ち)】です。

ベクトルが“今”に向いているか“未来”に向いているかの違いです。

月の望みは本能的な欲求に近く「お腹が空いたから何か食べたい」「眠いから寝たい」「疲れたから休みたい」「遊びたい」など、今この瞬間の欲求が強く表れます。

これを見てわかると思いますが「お腹を満たすこと」「睡眠をとること」「休むこと」「遊ぶこと」これらは何かを達成したり実現したりする太陽の望みを叶えるエネルギーをチャージするのに絶対に必要なことです。

ですから、この月と太陽の2つの望みをバランスよく聞いてあげる必要があるのですが、自認している性別に関わらず男性性(何かを達成したり実現しようとするエネルギー)が強い方は、月の本能的な欲求を無意識にスルーする傾向があります。

簡単に言えば“無理”をする訳です。

ご飯を食べることや眠ることを短時間で済ませ、休む時間や遊ぶ時間を削ってでも目的意識を優先しようとする。

ところが、太陽の望み(目的意識=叶えたい未来)も自分の望みであることには違いないので、本人は自分の気持ちに従っていると思っており(確かに間違ってはいないのだけど)、月の望み(心を満たすこと=叶えたい未来への原動力)を無視していることに気が付かないのです。

そうなると当然、無意識にエネルギー切れを起こします。

月の欲求を無視して何かを達成したり実現しようとする行動が過剰になると月(感情)は不満を溜め込み「イライラする」「鬱っぽくなる」「やる気が出ない」等の症状が出てきて、それが続くと「自分が目指してるものって間違ってるのかな?」「この方向性で合ってるのかな?」という疑問が出てきて、最終的に人生が迷子(目的意識を持ちたくても持てない状態)になります。

つまり「今どうしたい?」っていう心の声を聞いてあげられないと「未来をどうしていきたい?」っていう心の声や、そこへ向かう原動力が湧いてこないということです。


女性性(月や金星)が求めるものを目的意識に落とし込み、行動を重ねることで未来を創造するのが男性性(太陽や火星)の役割です。

【月⇒太陽】これが絶対で例外はありません。

ですが、男性性が強めの方は「何かを達成したり実現したら幸福感を感じられる」という【太陽⇒月】のベクトルになっているんです。

月を無視して目的意識と行動(太陽と火星)にばかり意識を向けるということは“心が満たされたり喜びを感じること(月と金星)が抜け落ちた状態の何かを目指す”ということであり、仮にそれを成し遂げた所で満たされないのは言うまでもありません。

【月や金星(女性性=心が満たされたり・心が喜ぶもの)が求めるものを太陽や火星(男性性=目的意識・行動)で叶えてあげる】
この法則から外れると、太陽は“心を満たす目的意識”を失い、月は“望みを叶える手段”を失います。
“本当の望みを失った太陽”と“本当の望みを叶える手段を失った月”に分離するのです。

女性性(月や金星)を蔑ろにすると「どうすれば自分が満たされるのか?」や「自分が何に喜びを感じるのか?」がわからなくなります。
その結果、思考(水星)が月や金星の役割を果たそうとします。
「どうしたら幸せになれるのか?(満たされたり喜びを感じられるのか?)」を頭で考えるのです。
でも、幸せは“感じるもの”です。
考えて答えが出せるような類のものではありません。
水星は太陽の補助をする天体ですから「目的意識を達成したり実現するためにどうするか?」を考えるのが本来の水星の役割です。

頭で考えて行動した結果、自分の中の女性性を満たしたり喜ばせることが出来ればいいんですが不思議なことに大体上手くいかないんですね。
女性へのプレゼントを選ぶのが下手な男性が9割なのも、この男性性と女性性の原理を如実に表しているような気がします。
男性性が強いと、セルフ木綿のハンカチーフ状態になるんです。
自分のことを想って選んだプレゼントが全然自分の女性性にハマらない(笑)
そして最後は本当にハンカチーフが必要になってくる。

そうならないためには“感じる力(女性性)”を養うしかありません。

まずはやっぱり、出来るだけ今この瞬間の欲求に素直になることです。
叶えてあげられなかったとしても、その望みに寄り添ってあげるだけでもだいぶ違います。
例えば「今日は仕事したくないなぁ」⇒「あーそんなこと言ってる場合じゃない支度しろ!自分」じゃなくて「そうだね、休んじゃえば?天気良いし海とか行きたいね!」って乗っかってあげる。

実際、休んでその日にやりたいことをやれるなら本当はやった方がいいですがなかなか難しいと思うので、最低限、自分の中の女性性が感じていることを否定しない(感じていることに意識的になる)ことが大切です。
それが出来れば、思ったその時に休めなくても休みを取る調整をすることが出来ます。
これが、月の欲求を太陽=目的意識として行動することです。

「いや、仕事忙しいし休みなんて取れないよ‥」っていうのが月を無視するということ。
そりゃそういうことがあるのは仕方ないけど、それが続けば心や身体を壊すのは目に見えています。

“日々の小さな欲求を汲み取ってあげる”という積み重ねが出来ないと、大きな目的意識には繋がっていきません。

日常的に感じる些細な欲求を無視して人生が変わる期待感のような大きな感情(ワクワクみたいなもの)を感じることばかりに意識を向けていても見つからないのです。

それは月を蔑ろにして太陽ばかりを求める行為だからです。

自分の心の声を無意識にスルーする癖が付くのが一番良くないですが、日本人は真面目なのでこの状態に陥っている(どちらかと言えば目的意識でからではなく義務感から月の欲求を無視していて月と太陽が分離している)人は多いです。

月と土星がハードアスペクトを形成している人は自分の気持ちを抑圧したりコントロールしようとする傾向が高く、我慢をする(自分を律する=制御する)ことがデフォルト(習慣)になっているために自分の気持ちを蔑ろにしていることに気付いていなかったりします。

その中でも特に“自らの社会的な立ち位置(土星)を積極的に模索したり確立しようとする人”は、太陽(目的意識)のために月(感情)を犠牲にするので、今回説明したような状態に陥りやすいです。

逆に月と土星がトラインだとちょっと忍耐が足りない節があります。
女性性が強い人も同じ傾向が出ます。
目的意識の達成や実現までのプロセスにある困難を避けやすくなるのです。
これは月=女性性に対しては素直ですが、太陽=男性性の望みを無視している状態です。

女性性が強い人はこちら↓

大体どちらかに偏っていて、偏っているとエネルギーが循環せずに上手く進めない感じが出るので、バランスが重要です。
その時々の状況によっても偏りが出てくる(例えば、女性性の声を聞いて目的意識に落とし込めているとしても、走り出してしばらくすると男性性が強くなり過ぎたりする)ので、このバランスの調整は日常的に行う必要があります。

※今回説明したのはあくまでも月(感情)と太陽(目的意識)の仕組みの話なので、ネイタルの(自分の性質としての)月と太陽と混同しないようにして下さい。
性質として考える場合は、地球サインを意識するとバランスが取れます。