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目次
- 自分が持っている考え(知識や理解)の外に目を向ける
- “ものの見方や捉え方”が良くも悪くも人生を変えるー9ハウスから12ハウスへの繋がり
- 他者の世界を理解することは伝える力に関係する
- 「何を見て、何を得るか」が未来に繋がる可能性を決める
自分が持っている考え(知識や理解)の外に目を向ける
9ハウスは『あらゆる可能性を考慮する力=探求的思考を育てる』ハウスです。
そのためには、物事を多面的に捉える力を養わなければなりません。
人は、誰でも”自分のフィルター(自分なりの物事の捉え方)”を通して物事を見ます。
よくある例えを用いれば、半分になったコップの水を「まだ半分ある」と捉えるのか「もう半分しかない」と捉えるのか。
「多い」と見るか「少ない」と見るか。
全く同じものを見ても、それをどう捉えるかは人それぞれであり、その各々のフィルター(=外界をどのように認識するか)がその人の見る世界を決定付けます。
9ハウスに与えられているキーワードの多くは、“その人の世界観(=フィルター)を構成するもの・或いは、そのフィルターを構成するものの見方や捉え方・物事に対する考え方を変えたり拡げたりする切っ掛けになるもの”なのです。
思考や行動の基盤になる「ものの見方」これは9ハウスのキーワードである『思想』に当たるものです。
9ハウスのメジャーなキーワードには他に『海外』や『宗教』があります。
日本では日常茶飯事的に電車が遅れるなんてことはあり得ませんが、それが当たり前の国もあります。
宗教を信仰している人はそれがその人の思想の一部になりますが、日本人は殆ど無宗教のような状態のため、外国の方の宗教(神)への忠誠や宗教の違いによる対立というのはピンと来ない人が多いと思います。
このように、海外に目を向けると、そこには文化や価値観の違いがあり、日本での当たり前は通用せず、自分が認識していた世界が全てではないことに気付くのです。←これが9ハウスです。
(実際に外国生活の経験がある人は、認知力=固定観念に縛られずに物事を見る力が高まるという研究結果が報告されています。)
問題はここからです。
【今まで自分が知らなかった世界=自分と他者の外界の認知の齟齬(固定観念=フィルターの違い)から生まれる隔たり=他者の世界】を知った時、それを許容するのか、或いは否定をしたり拒否をするのかです。
と言っても答えは決まっています。
他者の”世界観(=他者の視点で見た物事に対する理解)”を受け入れないと、自分の世界は拡がりません。
実質8ハウスでそれを理解した上でこの9ハウスがあるため、9ハウスは自分の中に無い理解(知識)に触れることで自分の世界を拡げていく場所であり、9ハウスのキーワードである『学問』はこれに当たります。
占星術師であったケプラーが天体物理学の礎を築いたように、元は誰かが体系化し受け継がれてきたものが学問なので、”学問も他者の視点で構築された他者の世界観”です。
自分のフィルターを通して見えている世界(=物事への理解)に固執せず、他者のフィルターを通して他者が見ている世界を受け入れることで自分の世界観を拡げる。
真っ向から否定をしたり少しも許容せずにはなから拒否をしてしまっては、新しい理解を得ることが出来ません。
だからこそ、異なる考え方を柔軟且つ客観的に考慮し、反対意見も受け入れることで、自分が認識している物事への理解や、それに対して下す判断が全てであるという偏ったものの見方から自分を解放するための探究的思考を育てる必要があるのです。
真の発見の旅とは
他者の目を持ち、他者の目で宇宙を目撃することだけである。
ーマルセル・プルースト
“ものの見方や捉え方”が良くも悪くも人生を変えるー9ハウスから12ハウスへの繋がり
8ハウスで他者を受け入れることが出来ずに「自分はこう思うからこうだ!」に全振りするとどうなるかはnoteの8ハウスの記事で詳しくお話しましたが、8ハウスで他者を受け入れられず、加えて9ハウスの探求的思考を育てられないと、自分を自分の世界に閉じ込めることになります。←これが12ハウスに繋がります。
自分を自分の世界に閉じ込めてしまうと、解決策を見出すことが出来ない堂々巡りのループに陥るのです。
8ハウス〜9ハウスと12ハウスの繋がりについてはこちらのブログ記事も参考にして下さい。
ブログで説明した“リフレーミング(物事の見方や捉え方を変えること)”をするために必要になるのが他者の世界観(=他者のものの見方や捉え方)です。
行き詰まりが発生する時というのは、自分が持っている知識(既知の概念)をフル活用しても問題解決が出来ない時です。
つまり自分の経験値を超えなきゃいけない時。
じゃあ自分の経験値ってどうやったら超えられるかと言えば、他者の経験値を借りるしかありません。
(いえ、厳密に言えば自分で活路を切り開く方法もありますが、時間が掛かり過ぎます。
わたしは射手座に土星・9ハウスにキロンがあるので、他者の経験値を借りるという考えに至らなかった期間が長く、これまで無駄に遠回りをしてきたなと思います。)
本を読む・ネットを検索する・セミナーに行く・人に相談する等
(占星術の鑑定もここに入ります。)
自分以外の視点で構築された情報が必要になります。
(上の図のピンクの範囲の知識では足りないので、黄色の範囲の知識が必要。)
検索するだけでも多くの情報が得られますし、手に入れようとすれば問題解決のための知識はあちこちに転がっている訳ですが、自分が見ている世界(共感出来るもの)のみ受け入れる傾向が強くなると、補強的思考(主観の正当化=確証バイアス)を強め、他者の知識(アドバイス)を受け入れられずに実践出来なかったり(その結果状況が変わらない)、そもそも自分が持っている考えの外に目を向けること自体が出来ない←そういう自分にも気付いていないというようなことから突破口が見出せず人生の迷子を引き起こしてしまうことがあります。
9ハウスと12ハウスや射手座と魚座で何らかの天体がスクエアを形成している場合などに、この傾向が見られます。
2022年1月に東大前刺傷事件を起こした偏差値75の高校に通う17歳のエリート高校生が、9ハウスを拗らせて12ハウスで行き詰まってしまった例です。
医者になるために東大受験を目指していたようですが、成績が伸び悩んだことで犯行に及んだと供述しています。
彼の中では[成績伸びない=東大行けない=人生終わり]と現実を解釈しており[人生に希望を見出せずに絶望してしまった]ということですが、彼は犯行当時高校2年生ですから受験までまだ1年あります。
失敗してないんですよね。
東大じゃなくても医者にはなれる訳で。
客観的に見れば絶望する程の状況ではないと思うんですが、こうなってしまうから人間のバイアス(認知の偏り=ものの見方や捉え方=思い込みのフィルター)は恐ろしいんです。
本人の中ではマイナス因子が膨れ上がってどうにもならなかったのでしょう。
怖れや不安は簡単に事実を誇張するフィルターと化します。
感情が見る世界を湾曲するんです。
大きな悩みがあったり大きく落ち込んでいる時は、それが永遠に続く気がして人生終わりみたいなテンションになりやすいし、逆に調子が良い時は根拠も無いのに自信が湧いてきて何でも出来るような気になってみたり。
“感情”は誰もが持っている思い込み発生装置です。
出来事に対する解釈はこのように感情を含む様々なフィルターによって左右されるので、人間は事実をありのままに捉えることが難しいのですが、逆を言えば【人間は事実に対し自分なりの解釈(意味)を創造するように進化してきた】のです。
(そのような進化を遂げた理由は、石ころは石ころであって石ころ以外の何ものでも無いという単一的なものの見方しかすることが出来なければ、”天王星的なアイデアを以って発明を生み出し11ハウスの未来に繋げる=進化する”ことが出来なくなってしまうからです。
石に他の意味付けをする(解釈を創造する)ことで、武器や道具としての価値を見出し発達した文明が旧石器時代ということになります。)
【自分が世界をどう解釈しているか=自分が見ている世界にどんな意味付けをしているか】に意識的になることが大切です。
ウィルスと共に陰謀論をガチで信じる人が増えましたが、それを信じる人の世界は強者に虐げられる世界になります。
感染力の高い病が蔓延しているのは事実ですが、それに付随する陰謀論は真偽の不明な噂に過ぎません。
もう一度言いますが、怖れや不安は簡単に事実を誇張するフィルターと化します。
信じるも信じないも個人の自由ではあります。
その上で敢えてそれを信じるということは[自ら不安や恐怖・怒りや嫌悪といったネガティブな感情を生み出す選択をした]ということです。
信じるも信じないも自由なはずなのに、敢えて余計な不安を煽るような選択をしてしまう。
このように無意識にネガティブな選択肢を選んでしまうということが、実は人生のあらゆる場面で起こっていたりします。
(そうなってしまう理由は後で詳しく説明します。)
現実は、自分の頭の中で創られた幻想。
これは比喩ではなく事実です。
であれば、解釈を変えれば現実が変わるということになります。
それはつまり“起こっている出来事をどう解釈するか”というフィルターが人生の良し悪しや発展性(=現実)を決めるということ。
マイナス思考(物事を悪く捉える思考の癖というフィルター)が強いと、少しの失敗を誇張して怖れや不安を増幅してしまったり、陰鬱な気分を変えることが出来ずに長く引きずってしまい抜け出せなくなったりすることで、自分を苦しい状況に閉じ込めてしまいます。
(その結果起こり得る12ハウス的な現象に関しては上に貼ったリンクからブログをご覧下さい。)
9ハウスが12ハウスに繋がるという解説中ですが、9ハウスが出来なかったら10〜12ハウス全部出来ません。
ハウスは全部、前のハウスが(ある程度)出来ないと次に繋がらない構図です。
9ハウス(=自分が認識していた世界が全てではないことに気付く=思い込みのフィルターを超える=現実の解釈を変える=物事を多面的に捉え、あらゆる可能性を考慮することで解決策を見出すこと)が出来ないということは、11ハウスのあるかもしれない可能性の未来(=パラレルワールド)の扉を開くことが出来ないということ。
だから12ハウスで行き詰まる(どうしたらいいかわからないという状態から抜け出せなくなって人生の迷子になる)のです。
逆を言えば、9ハウスが出来れば未来が変わります。
言い方を変えると、人生を変えるためには「出来ないという解釈(出来ないという思い込みをベースにしたものの見方や捉え方)」を、如何に「出来るという解釈」に変えるかが重要ということです。
現状を変えたい時に「出来ないという状態」から、何をすれば「出来るという状態」に変えられるかを考えることが多いんですが、でも結局どうしたらいいかわからない・行動出来ない・思い付く限りのことはしたけど変わらないという人は「出来ないという解釈(思い込みのフィルター)」がベースにあります。
思い込みが認知を歪めるので、解決出来る道(未知の方法)を見落としているんです。
フィルターを外せば道がある場所が、フィルターを通すと無くなるので「進める道が無い」と思い込んでいる感じです。(海王星の幻想の一種。)
「出来ないという解釈」が「出来ないという状態」を生み出しているとも言えます。
「思考が現実化する」という状態です。
思い込みは無意識なので「無意識の思考が現実化する」というのも勿論間違いではないんですが、もっと正確に言えば『現実をどう解釈するかという無意識の思考が現実化する』です。
そもそも”現実化する”って何かって言ったら
“そう行動しちゃう”ってことです。
そう行動しちゃうから現実になる(無意識的な思考によって行動を選択している)だけであって、思考が直接現実化する訳ではありません。
東大前刺傷事件を起こした少年は、現実を悪く捉えるという自らの思考によって人生に希望を見出せなかった(=現状を変えるアイデアを生み出せなかった)結果、犯罪という行動に至ってしまった。
自らの思考が自分にそう行動させる。
これが「思考が現実化する」ということです。
(神経科学=脳の仕組みを研究する学問で解明されている思考の現実化は上の様なプロセスです。)
“成績を伸ばすことが出来ない(現在の事実)”と、”成績を伸ばすことは出来ない(未来の可能性)”は一緒じゃないんですが、認知が歪むとイコールになります。
すると”今の状態は未来も変わらない”という過大解釈に繋がる。
だから希望を失う。
もし彼が”成績が伸びない”という事実をマイナスに過大解釈することなくありのままに捉えることが出来ていたら、他の行動の選択肢(未来への希望)に気付けたはずです。
だから「出来ないという解釈(思い込み)」の方を変えなければならないんです。
マイナス思考や自己否定的な意識が強かったり自己肯定感が低いと、それが”思い込み”となり、どうしても人生が行き止まりに陥りがちになります。
わたし自身マイナス思考で自己否定的で自己肯定感が低いタイプなので、経験から言えば”ネガティブに物事を捉えてしまう思考の癖”がある人は、それを直さなければ物事の達成や問題を解決し人生を変えていくことが難しくなります。
ネガティブなままでも人生を変えられない訳ではありませんが「ものの見方」が推進力を奪い足を引っ張る原因になるので時間が掛かる上にしんどいです。
逆に「ものの見方」さえ変えられれば、状況が変わらずとも、軽やかに楽しく人生を変える行動が出来ます。
(スピリチュアルや引き寄せの法則でもポジティブな気持ちで望むことが重要とされますが、でも「どうやったらそれが出来るのか」「どうしてそれが必要か」までは詳しく説明してくれません。
何故なら12ハウス的なものは因果関係が《曖昧》なものだからです。
わたしはこれが12ハウスの本質でもあると思っています。
その存在を科学的に証明するのは難しいけれど確かに存在しているもの。
科学的な根拠を見出すのは難しいけれど確かに存在する相関関係や因果関係。
占星術もこれに該当します。
ブログの方で12ハウスは人生に絶望した結果そこに繋がるものがキーワードになっているという話をしたんですが、じゃあ何で絶望しちゃうのって「どうして自分がその状況にあるのか」「どうしたらその状況を変えられるのか」が分からないからです。
なので12ハウスをネイタルに当て嵌めると「自分の理解の範疇を超える因果関係から生じる問題(無意識的な思考や行動が原因の問題)に気付き解決すること=曖昧なものに明確な答えを見出すこと」がテーマのハウスになります。
これは場合によってですが、自分なりに納得のいく答えで構わないこともあります。
無意識的な思考や行動が原因の場合は自分がそれを理解出来ていないだけで因果関係はハッキリしていますが、例えば心霊現象など「何故それが起こったのか?」「何故自分がそうなっているのか」に説明が付かない場合には、自分が納得出来る答えを探す以外に道はありません。
僕らは経験から因果関係を探ろうとするが、経験のないことは予測出来ない
引用: NUMB3RS 天才数学者の事件ファイル シーズン4 第13話
引用文の”経験”は”知識や理解”に置き換えることが出来ます。
自分の知らないことが原因になっている場合、何が原因でその結果に至っているのかに気付くことは出来ないのです。
だからこそ、9ハウスの『他者の目(他者の物事の理解)を通して自分の世界を見る』ということが大事になる。
因果関係に気付き、状況を脱するために。
因みに、引き寄せは神経科学でほぼ説明が付きます。
宇宙の大規模構造と脳のニューロンネットワークは類似性が指摘されており、宇宙の法則と言われる法則は脳の仕組みと酷似しています。
認知の歪み(思い込み)を改善するためにも、脳の仕組みを知ることが大切です。
自己肯定感を上げるための多くのアプローチが上手くいかないのも、脳の仕組みを無視しているからです。
その辺の脳の仕組みを踏まえた上で、9ハウスの説明と共に認知の歪みを改善し自己肯定感を上げる方法についても解説していきます。
※ここで説明するのは何かを実現しようとする時の妨げになるような自己肯定感の低さに関してです。)
続き10,167文字
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