真実のリリスートゥルーブラックムーンリリスの『性』と『創造性』

※感受点でリリスの名の付くものは複数ありますが、ここでは月の遠地点(地球から一番遠い場所)であるリリスについての解説です。

セクシャリティとクリエイティビティ

『性』と『創造性』

このふたつは、同じ『生み出す力』であり、本質的には同じ力です。しかし、このふたつから連想されるイメージは、全く異なるものであると思います。リリスは一般的に「性や欲望」と結び付けられることの多い感受点ですが、それはリリスの本来の姿では無いと考えます。

『穢れ』と『神聖』

これが、リリスの「性」と「創造性」の二面性です。


リリスと言う名の語源は[Lily]

百合です。百合の花言葉は「純潔」や「無垢」であり、聖母マリアを象徴する花。リリスのイメージとは真逆です。

聖母マリアと言えば『処女懐胎』

つまり、個人に於ける『男性性』と『女性性』の統合を表します。


男性性と女性性のバランスを崩すと人生が破滅的になる。というお話は、以前太宰のカオスとトランスサタニアンー「星を人に預けると、人生は狂いはじめる」の中で触れました。

『神聖な創造性』=『クリエイティビティ』として自身の『性(生=人生)』をコントロール出来ない場合、リリスの神聖さは穢れ性(異性)に溺れる

よって、リリスは『創造性を発揮するために意識すべきポイント』を表します。

「溺れる」と言うと大袈裟ですが、でも実際そうなっている人もいます。殆どの場合は“異性に逃げる”というニュアンスでしょうか。欠乏感を異性で埋めようとしてしまう感じ。それは、自分の人生の変化を生み出す力を異性(本来の男性性ではない男性性)に頼るということであり、創造のエネルギーの不足を意味するので、あまり良い結果を生まない場合が多いです。


男性性と女性性の統合は「本来の自分=真正=神聖を取り戻す」ことでもあります。ブラックムーンリリスは月の遠地点ですから、月の影(闇)です。リリスを使うことで月の光と闇を統合し、本来の月の力を引き出せます。本来の月(女性性)を取り戻すということは、本来の男性性であるソウルメイトを引き寄せる力にもなるということです。

※月の影(闇)とはインナーチャイルド(子供の頃に満たされなかった欲求が無意識に傷として心の奥底に残っていること)です。大人になると、これが承認欲求に変わります。承認欲求を満たすには、創造性(クリエイティビティ)を健全に発揮する必要があります。

なので、リリスを闇に葬っておくのは勿体無いと思います。


リリスの読み方と出し方はこちらを参考にして下さい。


ブラックムーンリリスには、“トゥルーブラックムーンリリス”と“ミーンブラックムーンリリス”というふたつのリリスがあります。ブラックムーンリリスは非常に不規則な動きをするため、正確に計算するのが難しかったらしく「大体この辺」みたいなのが“ミーン(平均)”です。現在は正確に計算出来るようになっているので、それを表すのが“トゥルー(真実)”となります。

一般的に使われている“ミーンブラックムーンリリス”に関しては 、astro.comで小惑星・恒星をホロスコープ上に表示する方法で説明しているその他のオブジェクトの項目から選択出来ます。

“トゥルーブラックムーンリリス”は、同じくastro.comで小惑星・恒星をホロスコープ上に表示する方法で説明している緑で囲ってある欄にh13と入力すると、ホロスコープ上にLil(o)と表示されます。

オプションですべてにアスペクトラインにチェックを入れないとリリスとのアスペクトは表示されません。人によってはミーンとトゥルーの位置がけっこう変わります。サビアンシンボルを見ると“ミーン”も使えないことはないんですが、やはり“トゥルー”の方が正確かなという印象です。

因みに、松村氏はリリスを冥界への通路と位置付けていて、これも「なるほどな」と思うんですが、 聖母マリアの教会がある場所は、その昔イシスを祀る神殿だったそうです。 イシスは月の女神として知られています。イシスは夫のオシリスを殺されてバラバラにされてしまいますが、バラバラのパーツを繋ぎ合わせてオシリスを再生させようとします。しかし男根だけ見つからなかったために再生したオシリスは冥界の王となり、その後、イシスは処女のままホルスを身ごもるという神話があります。

イシスは闇に向き合うことで自分の中の男性性を取り戻し、創造の力を手にしたのです。

オシリスが冥界の王というのも印象的で、冥界の王と言えば冥王星ですが、冥王星はリリスの記号に太陽を付けたような記号で表されることがあります。

リリス        冥王星

月の光と闇を統合すると、冥王星への回路が開き外宇宙と繋がることが出来る。

“冥界”というのは“神聖”のメタファーです。本来の自分である“霊性”を取り戻すこと。


トランスサタニアン占星術[松村潔著]の中で、リリス×サインとリリス×ハウスの詳しい説明が載っています。但し、松村さんは霊的な世界と現実世界とを完全に分けて考える方なので、リリスは現実的なものではないという見方で解説にはやや否定的な印象を受けますが、わたし的には読んでみて十分自分の創造性を掴む切っ掛けとして使えると思いました。

わたしのリリスはキロンと合なので、リリスの使い方は<キロン×ハウス・サイン・天体>解釈とキロンを克服する方法でケーススタディとして説明したキロンの克服方法とほぼ一緒になります。双子座9ハウスのリリスということになりますが、トランスサタニアン占星術[松村潔著]の解説を見ると

裏に隠れた未知のものに対する知識欲が強烈に刺激される

常識を転覆させるような知識を追求する傾向がある

トランスサタニアン占星術[松村潔著]から抜粋

はい、好きですね(笑) 「常識」とか「当たり前」というのが嫌いで、いつもそれをどうにか覆してやろうみたいな視点でものごとを考えてしまいます。松村さんが指摘するように、確かにこれは日常生活では問題があります。キロンが絡んでいるせいもあるかもしれませんが、実際これをずっと短所だと思ってきました。

ですが、“クリエイティビティ”として扱うのであれば問題ないのです。


わたしは霊的な世界と現実世界を分けて考えることはしません。

下にあるすべてのものは、上にあるものに似ており、上にあるすべてのものは、下にあるものに似ている。それは、ひとつの偉大な仕事をなし遂げるためである。

エメラルド・タブレット

創造性を発揮するためのヒントとして、是非リリスを見てみることをお勧めします。