12ハウスの意味は8ハウス〜9ハウスの繋がりから考えると理解しやすい

12ハウスがわからないという声を幾つか頂いたので、前回注釈でさらっと書いたことを詳しく解説していきます。
今回もnoteの8ハウスの記事がベースになっています。

おかげさまでたくさんオススメして頂きました。ありがとうございます。

8ハウスから12ハウスを考える
8ハウス冥王星の破壊と再生は12ハウス海王星の希望と絶望に繋がる
12ハウス海王星の扱い方と上手く使った時に発揮出来るスキル

まず、12ハウスを理解するために最初に念頭に置いてもらいたいことは、ハウスやサイン・天体の意味は基本的に前後左右の繋がりを意識して読まないと、なかなか理解出来ない構造になっているということです。

ホロスコープはあくまでもホールのケーキ。

全部繋がっているから、ハウスの境目なんてものは在って無い様なものなのです。
そもそもエネルギーに明確な線引きはありません。
その境界線は曖昧になっているのが普通です。

“ここからここまで”が通用するのは物質だけなので、カットケーキとして単体で見ないことが大事になるんですが、その中でも特に12ハウスは単体で考えると意味がわからないハウスであるように思います。

松村さんも海王星と冥王星はセットだって言ってたと思うんですが(記憶が定かじゃないけど)、わたしもそう思っています。
個人的には木星も入れて(12ハウスサブルーラーだから)8ハウス・9ハウスと12ハウスはセットで考えると12ハウスの意味がよく見えて来ます。

因みに、ハウスに天体が在っても無くてもハウスの課題は全員一律になります。
天体は得意不得意や課題の在処を表す(課題クリアのための現実は勝手に向こうからやって来る)だけです。
課題をこなすと、それらは後に“得意”になる。


もう一つ、12ハウスを説明する前に知っておいて欲しいことがあります。
12ハウスと言うとスピリチュアルというイメージが強いかと思うのですが、spiritualやspiritualityに当たる日本語は存在しないということ。

従って、一般的に知られているスピリチュアルの意味合いは、便宜上そう訳されているだけに過ぎません。個人的な感想にはなりますが

「人の心のもっとも深奥にある、善良さ美しさと素朴さと、そこにあるパワーについての」

出典: https://www.amorc.jp/spiritual/

という訳が一番しっくり来ています。

要するに“純粋さ”だと思うのです。

しかし、日本のスピリチュアルは“現世利益ありき”のスピリチュアルであることが多く、エゴを多分に感じる内容になっています。
その時点で純粋さは失われ、元々のスピリチュアルの意味からは懸け離れます。

本来はそういう意味なのですが、羅列されているキーワードを見るに「臭いモノには蓋」をして隠したいようなものばかりです。

8ハウスから12ハウスを考える

それもこれも、8ハウスを通過出来ないこと、エゴ=個人的な利益(物質的にも精神的にも)の追求を手放せないことに起因します。

自分の思い通りにならないこと(嫌なこと・つまらないこと・自分にとって都合が悪いこと等)を受け入れて、意識の枠組みを変えることで道が見えてくるのですが、前回の記事に書いたように“人は思い通りが幸せになれる道”だと思い込みやすい所があるため、なかなか受け入れられない傾向にあります。

前回の記事で8ハウスは濾過装置であると説明しました。
濾過ですから、かなり絞られます。
叱責されることを“絞られる”という言い方をしますよね。
厳しい状況に陥った結果、エゴを手放さざるを得なくなるのです。

その結果、エゴは8ハウスを通過することが出来ず、残るものは純粋な自己=魂の領域(無意識=潜在意識とは違うもの)になります。

ーーー※注釈ーーー
無意識=潜在意識のハウスは4ハウス・月が管轄します。
4ハウスは生存本能や生きて行くための欲求(これも本能)であり、家族や自分の居場所(家)というのはその一部に過ぎません。
普段の生活で欲求は認識しても、“欲求がどこから来ているか”までは余り考えません。
我々は人生をより良く生きるために無意識に何かを求め、行動しています。

IC(4ハウスカスプサイン)は以下を表しています。

  • 気付けば無意識にやっていること
  • 自然な自分の在り方や欲求
  • 無意識に出る行動

より良い人生を生きるために無意識に出てくる行動ですが、その根底にあるのは無自覚の焦りや不安等から来る自己防衛本能だったりするので、ICのサインは無意識にやって無意識に苦しくなりがちです。
5ハウスのカスプサインに向かって成長していくと精神的に楽になります。

その無意識の行動に気付いて変容するのが8ハウス(冥王星がトランシットでICに来る時やライツに絡む時にも変容を促されます)で、無意識にやってしまっていることに気付いて方向修正が出来れば、その先の12ハウスでは魂意識と呼べるような純粋な自己が見えてくる。

無意識(潜在意識)って巷で言われる程ややこしいものではなくて、ただの癖です。
癖って指摘されないと自分では分からないこともあります。
「言われてみたらそうかもな」ってなるのが、これまで無意識だった領域です。
それに気付いた瞬間、無意識は意識され、無意識ではなくなります。

無意識にやっていること=得意なこと
無意識にやってしまっていること=改善すべきこと

無意識を書き換えるには、無意識にやってしまっていることに気付くことが大切。
逆を言えば、気付かないと絶対に変わりません。
気付いたら、ちゃんと意識的に行動を変えていくことで無意識は書き換わっていきます。

(気付き方についてはnoteの8ハウスの記事及び前回の記事を参照して下さい。)
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自分の想い通り事を運ぶことを第一に考える・やりたいことを追求し、やりたくないことを一切やらないような姿勢・嫌なことから目を背ける・責任転嫁をする等

エゴを手放して、嫌なことも受け入れる姿勢を養わないと、最終的にしがらみに雁字搦めになって道を失います。
でもそこまで行けば、大体は自分を変えなければならないことに自然と気付くものです。

“しがらみ”には「そのまま行くと悪化してしまうものをせき止める」という意味もあり、それが8ハウスの作用でもあるのです。

「そのまま行くとまずいよ!」「本当に望んでいる方向と違うよ!」っていう赤信号。

しかし、自分の思い通りに事を進めようとすることや、自分の心地良さを追求することも勿論間違いではありません。

但し、それで結果を出せるのは12ハウスになります。

自分の中の純粋な想い(魂の願い)が見えていて、それに従うからこそ結果が出る。
思い通りになる。
それは心の底から望んでいることだから。

結局8ハウスでエゴは濾過されるので、基本は“自分のやりたいように進んでいくスタンス”でいいのですが、自分の好きなように進んで行き詰まったのなら、それは8ハウスで躓いた証拠ですから、そうなった場合には自己変容が必要で、嫌なことも受け入れて成長するプロセスが必要になります。


一見悪いように思われる状況を受け入れ、色々な視点から見ることでプラスに持っていく。

下記のサイトより引用させて頂きました。

事実は変わらないので、見方・考え方・捉え方の方を変えてリフレーミングする。
この時点で9ハウスに片足を突っ込んでいるような状態になります。

土星の記事でも同じようなことを書いているんですが、8ハウスのリフレーミングが視点切り替え(天の側から物事を見る)のトリガーになると思ってます。

“視点の切り替え”についてはこちらの記事をご覧下さい。

で、この視点切り替え(8ハウス)が出来ないと、当然11ハウス・天王星も12ハウス・海王星も上手くは扱えません。

何故なら、トランスサタニアンは自分の思い通りに動かすことは出来ませんので、受け入れて活かす姿勢が無いと使えないのです。

そしてその姿勢を学ぶのが、8ハウスです。

リフレーミングの結果として、見える世界が変わってくる。
9ハウスに出て、視界が開けるのです。

これが出来ると、新たな道(理想=9ハウス)が生まれます。
それが、その先の夢や希望(12ハウス)にも繋がって行くのです。

ここまでの要約<図解>

※画像クリックで拡大出来ます。

注釈の4ハウスの説明で“欲求がどこから来ているか”までは余り考えないと言いましたが、それは12ハウスから来ている訳です。
12ハウスの状態が4ハウスの欲求を決める。

8ハウス冥王星の破壊と再生は12ハウス海王星の希望と絶望に繋がる

8ハウスでエゴが濾過された夢や希望なので、より魂の願いに近付きますが、8ハウスを通過出来ないと迷路にハマったり行き止まりで八方塞がりになります。

先が見えず、どうしたらいいかがわからなくなり、光を、見失います。

極端に言うと、8ハウスを通過する際に「破壊(絶望)か再生(希望)」のルートに分岐するのです。

基本的に12ハウスの象徴として挙げられるキーワードの大半は、人生に対する絶望から来るものや、それによる苦痛(上手くいかない現実)から逃れるために救いを求める類のものです。

不倫(及びwinwinにならない性的なもの、偏った歪んだ愛情)・薬物・アルコール・オンラインゲーム・ギャンブル・インターネット(インターネット自体は11ハウスですが、何となくいつまでも見ちゃって時間を無駄にするような使い方はここに入ります。物事には色々な側面があるため、該当するハウスが一箇所とは限りません。)
これらはドーパミン等の脳内麻薬物質を発生させるものであり、人生の苦痛から逃れたい(ストレスを発散したい)欲求からこういったものを求めます。
大半は適度に嗜めば問題の無いものですし、ゲームやギャンブル・お酒好きも上手く使えば仕事にもなりますが、逃避依存という傾向が出ると人生を台無しにすることもあります。

信仰・宗教スピリチュアル(精神世界)に希望を求め、結果、怪しい宗教やスピリチュアルに詐欺られてしまうことも。

隠された・秘密・裏側・隠蔽
本来の意味は大切なものは隠された所にあるという意味ですが、隠されているので見つけられずに反対側に行ってしまうことも多く、総じて余りハッピーな雰囲気を醸し出さないハウスなので、悪い意味でも隠しておきたいものを表す場所になります。

で、やっぱりそういう裏を暴く力(真実を見極める力)は蠍座にあります。

その力を持って12ハウスに行けば、一見何もない空間に隠された財宝(魂の輝き)を見つけられるけれど、そうでない場合は見つからない。

12ハウスは条件を満たさないと発生しないイベントみたいな部屋。
(発動条件は8ハウスクリア)
今のゲームは過剰に親切で、何処に行って何をすればいいのか全部教えてくれるんですが、昔のゲームは次に何処に行けばいいかは自分で情報を集めないとわからないこともあって、イベント発生条件が満たせないから先に進めないとか余裕であった。←この状態に陥る

そういう閉じた(人生の希望を見出せない)状況でマイナス因子が膨れ上がると、犯罪(加害者)にも繋がる。
同じ犯罪というキーワードでも、被害者の側は不自由を受け取る方なので8ハウスや冥王星に関係します。
その経験をどうやって癒していくか(どのように光を見出し12ハウスへ到達するか)が課題になる訳です。

8ハウスのスキルを発動し、隠された抜け道を見つけられない場合は完全に閉じた空間になるので、悪い方に出ると抜け出し難くなるのも12ハウスの特徴です。

アルコール依存から病気になって入院】【薬物中毒から犯罪者になって投獄】この6つのキーワードは全部12ハウスです。上手いこと連鎖していっちゃうんですね。

太字にした所が海王星のキーワードとして挙げられることが多いものですが、大半の人は人生に行き詰まれば何とかしようとするものなので、マイナス因子に埋もれて人生をおかしくする方が稀ではあります。

(12ハウスから抜け出せないことで)
進むべき道がわからなくなる。
つまり、迷子です。

「人生の迷子」

これが一般的に12ハウスや海王星のアスペクトで起こりやすい現象です。
ですから、海王星は物事を曖昧にすると言われます。

12ハウスにライツ(月や太陽)がある。
もしくは海王星がライツに絡んでいると、人生に迷子になる傾向が出やすいです。

だから12ハウスは“占い”にも関係してくる。
わからないことに、答えを出すために。

だけど、問題は「12ハウス=答えがわからない」ことじゃなく「8ハウス=答えに気付けない」こと。
答えに気付けないから、わからないのです。

「見落とし」とも言えます。

わかりやすく表面に全てが書かれているとは限らない。
と言うか、人生の答えに関してはそんなことはあり得ない訳です。
その答えがあるのは12ハウスだから。

12ハウスは隠された場所ですので、視野を拡げて物事を考え、あらゆる視点から見ないと、例え答えが答えとして目の前にあっても「わからない」になります。

つまり、自分のものの見方・考え方・捉え方、そういうものが行く手を阻んでいることに気付かないと、答えが答えであることにも気付けないのです。←これに気付く力を養うのが8ハウス

問題があるから進めないし、進めないってことは問題があるので、何が進めない原因になっているのかという部分に目を向けてリフレーミングしていく。←この作業が視点や視野を拡げる

闇雲に前に進もうとしても“しがらみ”が増えていくだけです。
問題を度外視すれば(8ハウスが出来なければ)人生に行き詰まってしまいます。

12ハウスや海王星の扱い方と上手く使った時に発揮出来るスキル

12ハウスは一つのサイクルの終わりなので、1ハウス〜11ハウスまでの全ての経験が集約される場所でもあります。

12ハウス=1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11ハウス
これは他のハウスでもそうです。
前の体験を含んだ上での数字ですが、12ハウスそのものが体験の統合の場所なので特にこの考え方は重要になります。

個々のサインやハウス・天体はそれぞれ個性があって、一つの能力に特化しています。
でも、それは裏を返せば“単体では”バランスが悪い。
だからそれぞれに役割があって、併用することでバランスが取れるようになっています。
ですから、数字が増えるに連れて応用力が求められます。

これまでの経験値をどう使うか。

その本領を発揮する場所であり、最終試験みたいな場所。

12ハウスのルーラーである海王星やサブルーラーである木星は、どちらも“増やす”作用の強い天体です。
「増やす×増やす」影響が過剰になり、混沌とし易くなる。
それを制御する力の大半は12ハウス以外にあるのです。

ハウスを昇華するには必ず反対側のハウスが必要になりますので、6ハウス乙女座の整理整頓や管理能力もセットで考えなければなりません。
乙女座と違うのは細かく具体的にするのではなく、大きな“まとまり”に整えることで全体像を把握する(抽象化する)ということ。

下記のサイトより引用させて頂きました。

ごちゃ混ぜになった経験値から必要なものとそうでないものを分け、整理整頓したり。
不要なものは手放し、必要なもの同士を結び付けることで

「体験と体験を繋ぐ」

点と点が線になる場所、点と点を線にする場所なのです。

新しい体験をすることで、過去の体験が想起され体験と体験が繋がって答えに至ることもあります。

だから、noteの海王星の記事にも書いたように「わからないから選択しない」ではなく、「わからなくても選択し、経験する」ことが大事になる。

因みに、過去を無かったことにするのはNGです。
失敗や苦い経験・嫌なことを無かったことにしちゃうと、後々「あの経験は此処に繋がってたんだ」という理解が訪れないから。

“答え”や“理解”は後から付いて来るものであって、先に獲得するものではありません。

ここを逆に考える人が多いです。
何らかの答えや理解に至ってから行動しようとする。

そうではなく、仮説を立てて行動した結果、体験が統合されることで点と点が線になって道(答え)になる。
バラバラの点が繋がることで、ごちゃごちゃだった自分の内面がクリアになって純粋な想い=人生の答えが見えてくるのです。

各々の経験や体験を元に答えを見つけ出さなければならないハウスだから、難しいのです。
それを知っているのは自分だけなので、答えは自分以外にはわからない。
外に答えを求めても、体験と合致しないと理解出来ません。

“子供の頃はわからなかったけど、大人になったらわかるようになった”とか「あれはそういうことだったのか」って理解が遅れてやってくる感覚が点と点が繋がる感覚です。

最初に見聞きした時には理解出来なかったことも、人生を通して色々な経験をする内に理解出来るようになる。

そうやって自分の中のパズルを完成させて行く。伏線を回収する。
色々な体験を経てこそ理解出来るのが12ハウス。
だから経験値がめちゃめちゃ重要になる。


12ハウス・海王星の良い意味としては、芸術的才能(アーティスト気質)が挙げられます。
それは“地上のしがらみに左右されず、純粋に心の奥底から湧き上がって来たものを形に出来る力がある”ということ。

創作全般には必須の力です。

作家さんや漫画家さんは12ハウスに太陽がある人が多いらしいですが、伏線を置いてそれを回収する(点と点・ピースとピースを繋げる)のは正に12ハウスや海王星のスキルです。

自分の内側にあるものに集中することで、ゾーンに入れる人達でもある。
“降りて来る”ってやつですね。

12ハウスや海王星を上手く使えると、非現実を現実に持ち込めるので、人に夢や希望(ワクワクする気持ちや感動)を与える人になれる。
それは勿論、自分自身に対して出来るからこそ人にも与えられるものなので、どんな状況下でも希望を見出し乗り越えて行く強さがある人でもある。(←ゴンもだけど、エマがわかりやすくこれをやる。)

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