12ハウスは因果関係や存在そのものが《曖昧》なものを表す

『よくわからない』のが12ハウス

以前12ハウスのネガティブなキーワードは【人生の希望を見失った結果行き着くものである】という解説をしました。

noteの9ハウスの記事にも少し書きましたが、今回はネガティブ要素以外の12ハウス的なものについて見ていきます。

12ハウスが「よくわからない」と感じている人は多いと思いますが、それは『そもそもそういうハウスだから』と考えると逆に12ハウスの意味が理解出来ます。

海王星のホームですから「何だかよく分からない」が本質なんです。
天体やサイン・ハウスの意味はホロスコープの読み方そのものにも作用します。

なので『よくわからない』とはどういう状態か?を考える必要があります。

12ハウスの土星から考える『よくわからない』の意味

12ハウスの土星を持つ人は被害者意識が強いという傾向があります。
(天体の作用は他の天体との繋がりや使い方によっても変わるため、12ハウスに土星を持つ全ての人に出る傾向ではありません。)
何故そうなるかという詳しい説明はnoteの9ハウスの記事(無料部分)も参考にして頂ければと思いますが、相手が見ている世界を受け入れようとしない性質があるからです。

例えば、その人のことを想って相手が厳しい言葉を掛けていたとしても、自分が不愉快だったとか嫌な想いをした・傷付いたという自分の見ている世界にしか目が向かなかったりします。

相手が何を考え・どんな想いでその言葉を掛けたかにフォーカスすることが出来れば、自分が気付いていない自分に気付き状況を変えることが出来ますが、自分の内面を『秘密=閉ざされた空間(ブラックボックス)』にして相手に心を閉ざすことで自分を正当化するところがあります。

厳しい言い方をすれば「責任転嫁」をしているのですが、本人はそうすることで「希望」を見出そうとしています。

しかしこれは『無意識』に相手を拒否しているということになります。

こういったことが人間関係が上手くいかない・物事に解決策が見出せない原因になっていたりするんですが、本人は『無意識』にやっていることなので自分では「何故そうなるのか」という原因=因果関係がわかりません。

自分の世界に閉じこもることで、自分を閉ざされた空間に閉じ込めていることに気付いていない。

これが『よくわからない』という状態です。

12ハウスでこの「よくわからない」状態(=無意識の思考と無自覚の行動によるループ=行き止まり)が生まれるため、後に続く水サインのプロセスが以下の様な流れになる訳です。

※画像クリックで拡大出来ます。
水サインの流れはトラインですが、トラインというのはあくまでもエネルギーの流れが良いというだけの話であって、いい影響が流れやすいという意味ではありません。
川に例えると、そこにゴミがあって流れが良かったら海まで行くし、ゴミが海に行ったら魚に害が及ぶし、魚を食べる人間にも悪い影響が出る。
そこにあるものがマイナスであっても循環させていくのがトラインです。

詳しくはこちらをご覧ください。

12ハウスに土星がある人に限らず、12ハウスにライツがある・海王星がライツに絡む(ハード・ソフト関係なし)等、12ハウスや海王星と何らかの関係の強いホロスコープを持つ人は無意識の思考や無自覚の行動が原因になって上手くいかない状況を生み出していることがすごく多いです。

結果として、ユングの言う「あなたが向き合わなかった問題は、いずれ運命として出会うことになる」に行き着きます。

しかし外側の事象として現れてくるために自分に原因があるということに気付けない人も多く、一生懸命外側にアプローチして変えようと努力しても変わらずに生きることが苦しくなって人生に希望を見出せず、8ハウスや12ハウスのネガティブなキーワード(極端に言うと死や鬱)へと繋がります。

12ハウスや海王星が全く関係しないホロスコープを持つ方が難しいので、多くの人が大なり小なり“何か上手くいかない”という原因不明の症状に悩まされます。

そういう場合【自分の中に閉ざされた扉(無意識に何かを拒否したり何かに逆らう抵抗=他の侵入を許さない領域=ブラックボックス=スピリチュアルで言うところのブロック)があり、それを開かないと状況は変わらない】と思ってまず間違いないです。

外側にある手段を求めるより前に内側にあるブラックボックスを開く(自分で自分を閉じ込めている無意識の思考や無自覚の行動に気付く)ことが重要であり、この部分というのはポジティブな感情を求めることでは絶対に超えられない領域です。

自分の中にあるネガティブな感情と向き合ったり、苦手なものを受け入れるプロセスが必要になります。

抵抗がある事こそ受け入れてみると勉強になったり世界が拡がったりするのですが、抵抗があるが故にそれを無意識に避けるので、変わらない状況が続いてしまうんです。

基本はワクワクを求めればいいんですが、行き詰まった時・同じことのループになってる時・どうしても先に進めない時、そういう時には【抵抗のあるもの・避けたいもの・苦手なもの】の中に突破口があります。

12ハウスは“連続性が絶たれた結果、閉ざされてしまった空間”

ミッシングリンクから生まれるブラックボックスです。

ミッシングリンク(Missing-link)とは、生物の進化を連なる鎖として見た時に、連続性の欠けた部分(隙間)を指し、祖先群と子孫群の間にいるであろう進化の中間期にあたる生物・化石が見つかっていない状況を指す語。失われた環とも。

Wikipediaより引用

ブラックボックス (Black box) とは、内部の原理や構造を理解していなくても、外部から見た機能や使い方のみを知っていれば十分に得られる結果を利用する事のできる装置や機構の概念。転じて、内部機構を見ることができないよう密閉された機械装置を指してこう呼ぶ。

Wikipediaより引用

“12ハウスに何故ネガティブなキーワードが羅列されているのか”を読み解くために8ハウスや9ハウスからの繋がりで考えたのは、ホロスコープの連続性が断たれると12ハウスがブラックボックス化するからです。

原因不明の上手くいかない現象というのは、往々にして自分の心の在り方(及びそれに基づく思考や行動)に問題があることが多いですが、その心の在り方を作り出すことにもホロスコープが関係しているので、“12ハウス(或いは海王星)の天体の影響の原因はホロスコープの他の場所にある”ということになります。

別にそれを放って置いたって人生を送ることは出来るんです。
でも見落としに気付かないと、連続性が途切れるのでホロスコープが円として完成しないことになります。
円にならないということは、エネルギーが上手く循環しない。
だから上手くいかない部分が出て来て人生が不自由になる。

その元凶である“自身の在り方”に向き合うのが12ハウス。
これが本来のスピリチュアルだと思います。

(8ハウスでエゴを押し通さずに自分が変容することを受け入れないと、12ハウスで自分と向き合えません。元凶になってる自分自身を見ずに他を見ていると“原因不明=わからない”になる。)

12ハウスのキーワードにも『宗教』が入ることがありますが、個人的には自己の内面と深く向き合い気付きを促すような宗教は本来のスピリチュアリティに近いものを感じます。

自分の中のブラックボックスを開けてミッシングリンクを繋げる=行き場の無い現実は、無意識に拒否や回避をしている自身の在り方から生まれているということに気付く。
これが12ハウスのテーマであるとわたしは考えています。

これが出来ると4ハウスでコンフォートゾーンを超える(これまでとは思考や行動が変わる=人生を創造する土台が変わる)ことになり、8ハウスで受け取るものがマイナスからプラスに変わっていきますが、出来ない場合はユングの言うようにブラックボックスの中に『抑制』したものが『障害』になってくる。

何故そうなるのかは定かではない。
でも確かにそういう目に見えない法則が働いている。

人間はそういった「よくわからないもの(不確実性)」を怖れる生き物です。

アインシュタインが「神とは人間の弱さが生んだ産物以外の何者でもない」と言ったように、歴史を見れば人間は「よくわからない」現象(による恐怖)から逃れるために『神』を生み出し『信仰』をしてきたことがわかります。
(「悪魔」を生み出し「責任転嫁」をするパターンもあります。)

『占い』が発達してきたのも『運命』という『よくわからないもの=目に見えないもの』を知りたいという人の想いがあったからでしょう。

でも、運命を開く鍵は自分のブラックボックスの中のミッシングリンク=自身の在り方です。
ユングが言うように、自分の中の問題が運命として投影されているに過ぎません。

このように、因果関係はよくわからないけれど確かに存在する“気=エネルギー”の流れを掴もうとしたり、そういった原因不明のよくわからない現象から逃れるためのもの=『占い』『スピリチュアル』『信仰』『宗教』
或いは、存在そのものや真偽が曖昧なもの=『オカルト・陰謀論・都市伝説』や『心霊的なもの』

そもそも『よくわからない』ものを表すのが12ハウスなのです。