8ハウス蠍座の領域の“一体化”とは何か

結論から言えば、早い話がカフェオレです。
カフェオレというのはコーヒーと牛乳で出来ています。

自分がコーヒーと仮定しましょう。
相手も牛乳だとわかっていれば、混ざり合ってカフェオレになれます。

ただ、混ぜた後でコーヒーと牛乳を別々にすることはできません。

これが【一体化=変容(対象と一つになり元の自分の状態とは違っていくこと)】です。

そして、この変容は必ずしも成功する(良い影響を受け取る)とは限らないことを留意する必要があります。

例えば自分がコーヒーなのかオレンジジュースなのか緑茶なのかよくわかっていない状態で牛乳と混ざり合ったり、自分はコーヒーだとわかっていても相手が何なのかよくわからない状態で混ざり合ったら美味しいものが出来上がるとは限らないのと同じことです。

自分を理解した上で交わる対象も相性が良いものを選ぶことが出来ればコーヒー味のクッキーとか大福やシュークリーム、カレー(隠し味)にだってなれる。

つまり自分自身や人生の可能性が拡がる(9ハウスに繋がっていく)訳です。

一言にコーヒーや牛乳と言っても色々な種類や産地、コーヒーだったら豆の焙煎によっても味が変わる訳ですから、自分のことだけでなく対象に関しても細かく知っていた方がより美味しいものが仕上がります。

カフェオレに似たものにカフェラテがありますが、この2つは厳密には別々のものです。

「神は細部に宿る」と言いますけれど、クオリティーの高いものを作る人は細かい所にこだわっている傾向があります。

微妙な違いが大きな差を生むんです。

このように一体化=変容とは自分自身や交わる対象を明確に知っていてこそ、その真価を発揮します。

単純に何かと混ざり合うことは同化です。

本来は自分自身や人生をより良くしていくために何かと一体化し変容をしていく場所ですが、サインやハウスに天体がある=そのサインやハウスでの学びが必要になるということなので、特に8ハウスや蠍座にライツがある場合「自分とその対象が同化したら(関係性を持ったら)どうなるか?」を見極められないまま何かと混ざり合って分離(元の在るべき自分=コーヒーに戻ること)が大変な状態になっていたりします。

要は無作為に(無意識に)色んなものと同化してしまい何かと拗らせる訳です。

稀に麦茶がアイスコーヒーに擬態することがありますが、相手が擬態していることも考慮して交わる相手を見極めなければなりません。

蠍座の洞察力というのはこういう所から生まれるのではないかと思います。
対象をしっかり見極めないと、変なもの(自分に良い影響をもたらさないもの)と同化することになるからです。

8ハウスの“受け取るもの”というのは、関わる対象(及びそれと関わることで生じる体験)からの影響を受け取ることであり、これは無意識に受け取っているものの方が圧倒的に影響力が強いのです。

8ハウスは結婚のハウスとも言われますが「夫婦が似てくる」というのは8ハウスをよく表した言葉だと思います。
実際に似るかどうかは別としても“一緒にいることで無意識に受け取る影響=同化”が示唆されている訳です。

「部屋がぐちゃぐちゃだと自分の思考や感情も落ち着かなくなる」というのも同化の一種ですし「ニュースやSNSの情報を見て気持ちが落ち込むのも、逆に何かポジティブな情報に触れてテンションが上がる」のも「不機嫌な人の側にいるとこっちまでイライラしてくる、ご機嫌な人が側にいたら元気を貰える」のも同化。
「気に入らない物を使っているより気に入った物を使っている方が気分良くいられる」のも同化です。

こういった些細な同化というのは、良くも悪くも影響されていることに気付きにくかったり、影響されていることがわかっていたとしても大した事はないと思いがちです。

※便宜上、些細な同化と表現していますが実際の影響はかなり大きいです。
“塵も積もれば”というやつになるからです。
しかも無意識に塵積もっていく訳ですからこんな恐ろしいことはないなと思います。
些細な同化が無意識に致命傷になってる人は案外いるはずです。
わたし自身もそうでした。
憑依体質だったりHSPとか、その自覚がなくても疲れやすいとか落ち込みやすいとかやる気が出ない(何もしたくない気持ちになる)ことが多いとか、そういう人は無意識に何かと同化し自己が汚染されている可能性があります。

以前ゴルフの先生をしている人が『初心者でもウェアや道具にこだわる人の方が上達が早い』と言っていました。
これも(物体が持つエネルギーとの)同化です。

スピリチュアルでも自己啓発でもよく言われる“既にそうなった自分になる”とか“成功しているフリをしろ”というやつで、実際にそうなっていく効果があるのですね。
(勿論、本人が本気であること=そうなろうとする気持ちがあって行動もしていることが大前提ですが。)

わたし自身どちらかと言えば形から入るタイプなんですが、とりあえず安い道具を揃えてはじめてみようとやってみたことがありました。
道具が良いものなら上手くいかないのは自分の技術の問題だとわかりますが、安価なものは自分のセンスが異常にないのか道具が悪いのかの判断が付かないんです。
なので道具を少し良いものに買い替えて試してみた所、道具が使いづらいものであることがわかりました。

その時に、実は道具に原因があるのに「自分は下手だ」とか「向いていない」とか思い込んでしまうことってあるんじゃないかなと思いました。

これも(体験との)同化なんです。

そう思い込んでしまえばその時点で伸びないし、伸びないと続かないので、それって勿体無いなと。

良いものを揃えた方が初心者でも上手く出来やすいから挫折し難い。
初心者こそ、それなりにちゃんとしたものを使うべきなんですよね。

このように、我々は関わる人/物/情報/物事/環境などの身近なものに知らず知らず影響されていて、その影響力というのは無意識の領域に侵食してくるが故に自分でも気付かない間に侵されているのです。

前述した例は日常的な軽いものですが、これが重たいものになるとインナーチャイルド/トラウマ/メンタルブロック(思い込みや固定観念的なもの)/生きる過程で無意識に影響を受け取って形成された無自覚の思考や行動パターンになります。

所謂「無意識を変えないと現実が変わらない」と言われる状態がこれで、無意識こそが運命(のように思えるもの)の正体なんです。

だから無意識を変えたら運命は変えられる。

ですが、それをする(運命を変える=対象と無意識に同化してしまった後にその影響と自分を分離する)のは結構な時間が掛かったり大きな痛みを伴います。

何故なら、一度混ざり合ったものを別々にすることは出来ないからです。

カフェオレになった後にその状態が自分に良い影響をもたらさないことに気付いたとしたら、それは蒸発させるか嫌でも一回飲み干すか捨てるかして“何もない状態”に戻さないといけません。

それが強制リセット/破壊と再生(の破壊の部分)というプロセスなのです。

一体化した対象だけを取り除くことは難しく(混ざり合っているものはLEGOブロックみたいに取り外せたりしないので)、自分ごと新生しなければならない。

それは自分がこれまで同化してきたもの=経験した全てであり自分の一部になっているものを否定する(ような)プロセスであり、それは自ら自分を殺すような作業ですからかなりキツいことです。

しかし、意図せず何かと同化してしまった自分を殺さなければ本来の自分には戻れないのですね。

無意識の影響が蓄積されるのは4ハウス蟹座の領域ですが“そこ(人生の土台や基盤となる4ハウス=月の無意識領域)に良くないものがあれば壊すことで変容を遂げ(元の自分に戻るプロセス)、その上で今度はより良いものと一体化し変容を成す(元の自分の可能性を拡げていくプロセス)”これが8ハウス蠍座のテーマです。

※破壊のプロセスに於いて元の自分に戻るための変容と、再生のプロセスに於いて自分をより良い形に変容させていくプロセスは別々のもので、こちらの記事の内容は再生のプロセスの話になります。
破壊のプロセスについてはnote☟の記事で詳しく解説しています。

一回混ざり合ってしまう(無意識下で影響を受け取る)とそれを分離するのは大変なので、深く関わる前に対象を見極めて自分にマイナスの影響があると予想されるものには同化しない(何か違うと感じたら早めに離れる)ことが大切です。

無自覚に同化すると何度も何度も破壊と再生のプロセスが必要になってしまいます(元の自分からズレて戻ってズレて戻っての繰り返しになり、それはつまり本来の自分を発揮する段階まで行けないってことです)ので、そもそも自分を汚染しない意識を持つことが何より重要なのです。

ハウスの体験というのは天体の有無に関わらず誰でもするものですが、特に蠍座が強い人は交わる対象を間違えると致命的なダメージを負いかねないので自分を守るためにもしっかりと選別をすること。

逆を言えば良い影響を受け取れる対象を見極めて交わればいくらでも外から良い影響を取り込めます。

自分が関わるもの(=物・人・事)全て激選するくらいで丁度いいです。

そしてそれはやっぱり自分を知っていないと出来ないことなので、それをすること(激選する過程)で本来の自分に戻っていく訳です。

同化=単純な混ざり合いでは寧ろ本来の自分を歪ませたり拗らせたり良くない形に変形させる原因になることが多いので、交わる対象を選ぶことがより良い状態への変容=一体化をもたらします。

関連記事|本当の自分を知っていくプロセスの話☟

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